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技術士は、科学技術の専門知識や応用能力、資質能力を備えていると認められる、権威ある国家資格です。試験を受験して合格することで、技術士としての資格を得ることができます。元々は、日本の産業における技術者を育成する目的で誕生しました。その中の1部門である環境部門は、その名の通り自然環境を守る部門です。
自然環境や動植物の生態調査、都市における自然環境の復元や管理などが主な役割で、環境工学や環境科学に関する高度なスキルや知識が求められます。

例えば、公共事業などで大規模な工事を行うケースや、街の中で自然の復元や管理に携わるケース、大気や水質の汚染物質の測定・評価に携るケースなどにおいて活躍します。工事の際、環境を調査した結果を分析し、自然環境に大きな影響がないか、その影響を回避する方法はどんなものがあるか、といった観点で技術的なアドバイスを行います。求められる主な知識としては、大気、水、土壌などの環境を保護するための技術的手法や対策に関する環境保全技術に関する知識、プロジェクトや施設の建設などが環境に与える影響を評価し、適切な対策を提案する環境影響評価に関する能力、企業や団体が環境に配慮した活動を行うための環境マネジメントシステムに関する知識などです。
技術士資格を取得するメリットはたくさんありますが、ここではその中から主なものをご紹介します。

特に建設業界では、建設コンサルタントや国土交通省の地質調査業者などに登録できます。より専門性の高い仕事に就けるため、資格手当や昇進、転職などで収入アップが期待できるでしょう。
また、資格を所持していることで、社内外からの信頼が高くなる場合が多くあります。重要な業務を任されるようになったり、以前より話を聞いてもらえるので提案がしやすくなったなど、日々の業務でもメリットを実感できるようです。取得する難易度が高いこともあり、勤務先から高く評価され、資格手当を支給してくれる会社もあります。資格手当が出たり、年収がアップしたり、昇進しやすくなったりと、今よりも年収が高い職場に転職しやすくなるというメリットもあります。

公共事業の入札で有利になる公共工事の入札に必要な審査において、公共工事評価が技術士1人につき5点が加点されることがあります。それに加えて、公共工事の受注金額上限も上がります。建設業界で評価が高いのは、公共工事をより高い金額で受注できる可能性が高くなるためです。特に官公庁の仕事を請け負う環境関連のコンサルタント会社などに就職するのであれば、取得しておいた方が良い資格であると言えます。

技術士は難関と言われる国家資格であり、科学技術に携わる技術者にとっての最高峰の資格です。自身の高いスキルを証明するだけでなく、企業が求める資格でもあります。その試験の難易度も高く、資格を所持していることで、優れた専門知識や技術力を持つ人物という評価を受けることが出来ます。その上で、もちろん転職や独立など、将来のキャリアを考える上でもとても有利に働きます。独立に際しては、日本技術士会のバックアップが得られることもメリットの1つといえるでしょう。

晴れて試験に合格すると、「日本技術士会」をはじめ、様々なコミュニティーに入会することができたり、各種技術セミナーに参加して同じ技術をもつ人と知り合う機会が得られて人脈が広がるというメリットがあります。こうしたネットワークに入ることで、自分の専門外のことを各分野の専門家に相談できたり、新たな仕事を得られる可能性があるといったチャンスがあります。年齢層が幅広いため、さまざまな分野の専門家の人と交流するなかで、多くの学びやよい刺激が得られるでしょう。これは新たなビジネスチャンスを生み出す可能性をもたらします。

技術士の資格を取得している、または第二次試験に合格している人には、他の国家試験を受験する際の優遇制度が設けられています。例えば、気象予報士では学科試験免除、弁理士では論文試験免除など、他の国家資格を受験する際に、一部の科目が免除になります。優遇制度を受けるためには様々な条件があるため、詳しい条件は公式サイトにある「国家資格試験の受験・免除規定（技術士の特典）」を確認した方が良いでしょう。